二光軸
この前、このカメラ「オリンパスAF-10 TWIN」を買って行かれたお客さんから「帰宅後にフィルム室を開けてカメラをチェックしていたら、様子がおかしいので一瞬壊れているのかと思った~!」との事後報告をいただいた話です。
フィルムコンパクトカメラのズーム機能が登場する前や高性能化する前の頃、「広角と標準」または「広角と望遠」の二焦点を切り替えるタイプのカメラが存在しました。
二焦点を切り替える簡単な方法は、基本となる広角レンズの手前にコンバージョンレンズを割り込ませることで倍率を上げて、標準なり望遠撮影を可能にする方法。
下の画像は、その方法を採用しているフジフイルム「テレ カルディア スーパー」です。フィルム室画像の上が広角35mmの状態で、下が望遠70mmの状態でコンバージョンレンズが出て来ているのが分かると思います。
これとは別に凝った方法を採用するカメラもありました。その一つが今回のオリンパス「AF-10 TWIN」。ボディには広角35mmレンズと望遠70ミリレンズがそれぞれシャッターとセットで組み込まれています。
ボディ前面に縦に2個並んだレンズの下の方が広角レンズでこちらで撮影する場合は、通常のカメラと同じで光軸は一直線にフィルムへ向かいます。下の画像の右側がその状態です。
しかし、上にある望遠レンズで撮影する場合は、カメラ内部にある電動ミラーで光軸を2度曲げてフィルムへ向かわせます。下の画像の左側がその状態です。ちょっと分かりずらいですが、ミラーが下りて来ていて、そこに映っているのはさらにもう一枚のミラーに映っている上側の望遠レンズの後ろ玉なのです。
こんな凝った方法を取るのは、コンバージョンレンズではなくて望遠専用レンズを使うことで高画質を得るため。ズームレンズの性能が上がるまでの苦肉の策と言えなくもありません。
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