多分、さすがニコン!
マニュアルカメラの多くはフィルムの巻き戻しを、たたまれたクランクを引き出してクルクル回して行ないます。でも、その前の時代は、ノブをクルクル回すカメラの方がほとんどだったのです。
ライカでいえば、バルナックやM型でもM3、M2などはノブ式ですが、それ以降のM型はクランク式に変更されています。
ここにある巻き戻しクランクの折れてしまったニコマートEL(上の画像、黒いボディの方)を見て気付いたのですが、クランク式なのにノブ式と同じように、軸には「ローレット」が刻まれているのです。
で、他を確認したら、ニコンはS2、S3、SPなどのレンジファインダー機、一眼レフのFやF2、FM、ニコマート(上の画像、シルバーボディの方)など、ある時期までどの機種もみんなローレットが刻まれていました。
ところが、他メーカーで同様のモノはほとんど見当たりませんでした。
これって、どういうことか想像してみました。クランク式に変更したもののノブに慣れ親しんだ人の為に、巻き戻しやすいように「ローレット」を残した~か、もしや、このニコマートのように、クランクが折れた場合のことを想定して、「ローレット」を残した~か。
どちらにしても、他メーカーではほとんど見当たらないこだわりを持って製造していたことに違いはありません。さすが、ニコンってことでしょうね!!多分。
【ローレット】:器具のツマミなど円筒状の表面にすべりを防ぐために施されたギザギザの加工。稀に見た目の良さを重視して施される場合もある。