舶来品
最近の若い人に(←こんなフレーズを使い出したら初老の証し…)、「舶来品」という言葉が通じない場合があるらしい。
「舶来品」とは「舶来の品物。外国製品」の意。では、「舶来」とは「外国から船によって運ばれてくること。外国から渡来すること」の意。
大義では「外国から~」なんでしょうが、元々は「船舶で~」だから「舶来」なんですね。
戦前戦後とライカの輸入代理店だった「シュミット商会」は、舶来品=高級品=カメラを扱っていたわけですが、戦後のカメラ屋さん事情を聞くと、昭和20年代から30年代にかけて実際に流通していたライカの多くは、シュミットによる正規輸入品よりも米兵などが持ち込んだ「横のルート」のものが多かったそうです。
当時、正規品は流通量が少なく、予約しても納期が長く、価格的にも高価(当然に正規の保証が付く)だったために、「横のルート」で持ち込まれたモノがいくらか安価で盛んに売り買いされていたらしいです。
それでも、安心できる正規品を購入する層は確実にいて、そのことがシュミットのブランド力を高めたともいえるのでしょう。正規品の証しともいえるシュミットの赤いバッジを、画像のように革ケースに取り付ける人も居たということですね。
シュミット商会:明治(30年頃)から昭和(50年頃)まで、日本で営業したドイツ系商社。ライカの販売だけでなく、カメラマン育成にも力を注いだと言われている。ライカ代理店はシュミットのあと、シーベルへグナーに引き継がれた。