二段式フード
特に気にしなければ、そのままスルーしてしまうことなんでしょうが。。。
この「EBCフジノンT200mm/F4.5」というレンズのフードは、一般的なネジ込んだり、被せたりして装着する外付けタイプではなくて、内蔵式のフードです。だからといって、内蔵式フードが決して珍しいものでもなくて、望遠系のレンズには案外と存在しています。
何気なくこのレンズをいじっていたら、内蔵のフードが二段階になって伸びることに気付きました。「おぉ、凝ってるな~」と。
でも、改めてレンズの焦点距離を確認すると、単焦点200mm。フードの長さ(深さ)が二段階なのは、ズームレンズだからかと思ったら違うんですね。じゃあ、何のために、こんな凝った面倒な造りをしたのかを、あぁーだろうか、こぉーだろうか、考えているうちに、どうやらその理由が分かりました。
ヘリコイドを無限遠側に回すと、鏡胴が一番短くなった状態になるのですが、その時に200mmで必要なフードの長さを収納しきれないので、二段階式にして、フードをコンパクトに収納しようという発想らしいです。当然、レンズの持ち運びにも有利なわけです。
数十年前、当時からそれほど目立った製品では無かったと思います。それゆえ、現存数も少ないこのレンズに、地味にこんな手が掛けられていたことが、今となって不思議な存在感を発しているような気がしました。