〈E・P〉マーク
〈E・P〉マークは「Exchange Post」の略で、「PX」とも呼ばれた米国陸軍の駐頓地にある売店向けに戦後出荷されたものへ、物品税の免税識別のために刻印されたものだと言われています。
この常盤精機製ファーストフレックスにも、その〈E・P〉マークがあるのですが、ボディ背面の赤窓の蓋に記されていました。
蓋を閉じている時はわりと普通に見えますが、赤窓を見るために開けると〈E・P〉マークが無残にも半分くらい隠れてしまいます。
赤窓の蓋という一部品に刻印するのであれば、製造工程において純粋な国内向けの製品の製造との混乱や煩わしさも減らせるので、ここに刻印している理由は利便性だけなのかもしれません。でも、キヤノンのカメラにはわざわざボディの軍艦部上面に記しているモノもあります。
これで思い出したのは、「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印。
「占領下の日本製」という表記の屈辱を地味に訴えているのか!?、目立たない所に刻印されているカメラが案外と多いんですよね。例えば、ボディの貼り革に地味に型押しされているだけだったり、簡単に交換可能な小さな一部品に刻印されているだけだったり~と。
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