我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2018年1月15日 (月)

VT専用です

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「キヤノンVT」は1956年に発売された、ライカマウントのレンジファインダー機。

一番の特徴は底面に収納されたトリガーレバーを引き出して操作することで、巻上げとシャッターチャージが出来ること。

というか、トリガーレバーで巻き上げるのが基本なので、ボディ上面の巻上げノブは簡略化(ツマむ部分が狭い)されていて、他のノブ巻上げ式のカメラより操作するのが少々もどかしい感じです。

当時は今よりも、カメラをケースに入れて使う傾向が強かったので、ふつうの底ケースではトリガーレバーの操作が出来ないため、VT用のケースには底にちゃんと穴が開いていました。

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また、この頃のキヤノンは三脚やコピースタンドなどで使用する際に、縦位置での撮影も容易にするための立派な金属製のカメラホルダーというのを用意していて、このVT用のもありました。

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さすがに、このカメラホルダーを使う際には底面のトリガーレバーを使うわけにはいかないので、トリガーレバー式のⅤTやⅥTも、上面レバー巻上げ式のL1、L2やⅤL、ⅥLと同じホルダーを使えばいいのにと思ったのですが、画像のようにVT用に背丈が少し高い専用ホルダーが存在しています。なんで、わざわざ作ったんだろう???

ここまで読んで、ウズウズし出した人はきっとキヤノン通の方です。

私もいろいろ考えているうちに分かって来ました。

キヤノンVTって、L1やL2より半年~1年先に発売されているんで、カメラホルダーももともとⅤT用が先に出ていたのです。VT用ホルダーを背丈が少し低い上面巻上げレバー式のL1などに合わせると、ストラップアイレットが干渉してしまうはず…。

さらに決定的なことにも気付きました。トリガー式のⅤT、ⅥTと上面レバー巻上げのL1、L2やⅤL、ⅥLは、三脚穴の位置が真反対にあるんです。これじゃ、共用できません…。

今回改めて気付いたのは、キヤノンのレンジファインダー機はバルナックライカのような軍艦型のトップカバーから直線的なトップカバーへ進化した際に、トリガーレバー式のモデルをいの一番に発売していたこと。今となってはオーソドックスな上部レバー巻上げのモデルは後から発売していた~ってことです。

 

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