PRAKTICA BX20S
「PRAKTICA(プラクチカ)」といえば、ドイツのペンタコン社製一眼レフカメラに付けられた名称。
今回出てきた「BX20S」という機種。機能的には手動巻上げ巻戻し、絞り優先AE付きのMFカメラです。また、そのデザインやプラスティック外装から1980年代以降のカメラであると推測。なので「ドイツの自国製ではないだろうなぁ~?」と思いました。
何故ならば、ドイツのカメラメーカーは1950年代後半に一眼レフが登場してから、戦後追い付け追い越せの勢いで成長してきた日本メーカーに急接近され、1970年頃にはその勢力が完全に逆転されてしまったと言っても過言ではなくなります。
なので、その頃のカメラの中には、エキザクタやアーガスなど海外ブランドを掲げていながら「MADE IN JAPAN」のカメラが案外と多くありますし、ローライやフォクトレンダーなどのドイツ勢も製造はシンガポール製だったりします。ライカだって一時期ミノルタと共同開発してました。
しかし、「BX20S」の底面を見ると、「MADE IN GERMANY」の文字。
そして、前面の下方には「Schneider(シュナイダー)」の文字も。シュナイダーというとレチナやハッセルなどにレンズ供給しているレンズメーカーですけど、1990年にプラクチカを製造していたペンタコンを吸収合併していたのですね。
さらに調べてみると、このBX20Sは1990年ペンタコン時代に完成した機種だけども、ペンタコン時代に作られた個体はほんの僅かだそうです。その後1992年に製造再開されて、このように「Schneider」ネームが記された模様。で、10年弱作り続けられたらしいです。
でも、あれですよねぇ...日本ではもうAFカメラが主流になった時代。あえて、当時の日本のMFカメラに注目すると、ペンタックスではP30Nが1989年発売、キヤノンでは国内のMF一眼最終機T90が1986年発売、ニコンでもほぼ同じ内容のNewFM2が1982年発売(FM3Aは除く)。こんな感じです。
それゆえ、当時の日本には入ってくる隙もなく、今こうやって出て来るとレアもの感が強いのでしょう。
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