レンズ付きの安原さん
中古カメラブームの真っ只中、1999年のこと。
元大手カメラメーカーの技術者が一人独立、一念発起して造ったことで話題になったカメラ「安原一式(T981)」。
製造を任せた中国の工場との様々な障害や、予想を遥かに上回ったであろう相当数の予約で、たくさんのバックオーダーを抱えたことでもニュースになったりしました。
うちの店でも、発表早々に予約しましたが、納品されるまでに1年ほどかかりました。
中古カメラブームを背景に、レンジファインダー機の復活が望まれた当時、大手メーカーのコニカのヘキサーRFや、コシナのベッサシリーズとはぼ同時期に販売に至ったのは、非常に評価すべきことだったと思います。日本のカメラ史上に残るカメラになるでしょう。
この個体、非常に状態が良く。当時噂されていた(うちの店にあった個体もそうでしたが)ように、セルフタイマーレバーや、巻上げレバー・巻き戻しレバーのグラつきや傾きもなく、アクセサリーシューの面取りもそれなりされていて、指を切るような危険がない優れた個体です。
レンズ(YASUHARA MC50mm/F2.8)は、どういうタイミングで発売されたのか覚えてませんし調べてもいませんが、ボディより後に販売されました。
よく分かんないくらいだから、流通量は相当に少ないはず。私は今回、初めて見たと思います。
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