街頭写真
土曜日の朝イチ、常連Wさんが持って来てくれたこの4枚の古びた紙切れ。
最近購入した古本(昭和17年発行)の間に、この4枚が挟まっていたのだそうです。戦中のものと推測できる写真にまつわる非常に興味深い内容だったので、自分だけで見ているのは勿体ない~と、うちの店に持って来てくれたのです。
当日はちょうど「がらくた市」ということもあり、田中長徳先生トークショーの話題にもなりました。
さて、この紙切れは何なのか?というと。。。
かつて、街中には街頭写真家とか街頭写真屋と呼ばれるカメラマンが居て、街行く人を勝手に撮影し、その本人に写真を買ってもらう~という商売をしていたのです。
その際、街頭写真家がシャッターを切った被写体に、この紙切れを渡していたのです。
そこには、まず勝手に撮影した詫びが書かれ、「誠に失禮で御座居ますが只今御写眞をお撮りいたしました」
続いて、写真を買ってもらうための巧みなアピールがされているのです。「溌溂たる!あなたの今日のお姿を非常時局の御記念に!故郷の父母へ・・・戦地の友へ!」、「意識しない瞬間のポーズを・・・・」
そして、欲しいと思った人が、後からこの紙を申込書として郵送すると、プリントが自宅に届くというシステムなのです。料金は手札サイズ3~4枚で1円、基本着払い。
今の時代では到底考えられないようなシステムというか、撮影行為。戦中・戦後には銀座など人の多い街に、こういう街頭写真家がいたそうです。