我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2011年5月29日 (日)

対価はカメラの素性で!?

P674 
買取りのアローカメラにこんな問い合わせのメールが届きました。

 

「いつもブログを楽しく拝見させていただいております。

さて、だいぶ以前に亡くなった伯父の古いカメラが、デジタル一眼を使っているという理由だけで、私の元に巡り巡ってきました。

カビ臭く所々錆びもあるジャンクカメラなのですが、その昔は伯父自慢のカメラだったそうなのです。古いカメラに愛情を注いでおられるアローカメラ様に引き取って頂きたくメール差し上げました。

実は近所のカメラ店に持ち込んだところ、あまり説明もなく「カビているので全部で千円ほどにしか…」とのお返事でした。

正直申しますと私を含め家族親戚は換金というよりむしろ、これらのカメラがどういった素性のもので、在りし日の伯父がどのように使っていたかに思いを馳せたい気持ちでいます。

突然の話で恐縮ですが、もし引取りが可能で、カメラの背景などご教授いただけそうであれば、宅配便で送付致したく思います。」

 

この後、買取り金額についてはカメラの状態を推測するに、ご近所のカメラ店さんが提示された金額に大きく上乗せするのは難しい…旨をお伝えして、カメラの素性を知りたいという~ご希望に添えるようなお返事をさせていただくお約束をして、品物を送っていただくことになりました。

送っていただいた品物が上の画像で、ご希望に添えるだけの内容かどうか心配ですが、、、今日のブログがそのお返事です。

以下、送っていただいたカメラについての簡単なコメントは、書籍・文献等から得られた情報より、業界経験50余年に及ぶ買取名人のナマの声を反映しております。

 

【マミヤ6】 このモデルは「K」型。昭和30年代初期に発売された蛇腹式カメラ(スプリングカメラ)としては、マミヤ6が一番人気だったと思います。警視庁で多く使われたカメラとしても有名です。この時代はどんなカメラを発売しても、売れに売れて品不足な時代でした。

【パーレット】 小西六(現コニカミノルタ)の前身六櫻社時代、大正末期に発売されて戦後まで作られたパーレット。これは昭和15年頃?のモノ。当時、カメラは高価で一般の人ではなかなか手に入れにくいものでしたが、この手のカメラの登場で、扱い自体は一般の人でもし易いものになりました。

【オリンパスペンEE-2】普通の35mmカメラの倍の枚数が撮れるハーフ判カメラでは一番人気だったペンシリーズ。使う人にとっては、同じ現像代で倍も撮れるのでお得感が強かったでしょう。カメラ屋としては、カラーフィルムがブームになり出した時代と重なったので、プリント枚数が増えることで嬉しい傾向でした。

【コニカC35】カメラ業界の発展とともに、一眼レフは多機能化し大型する傾向もあった1970年代。逆に小型軽量化された扱いが簡単なコンパクトカメラも登場し、その中でも筆頭に位置したのがこのカメラ。カメラが大衆にドンドン広まっていきました。

 

そして、このお客様からは「金銭ではなく、野田康司のカメラ四谷快談(サイン入り希望)との交換は出来ませんか?」という相談までいただきました。

こういう買取りもありなんだなぁ~と、お客様と人と人とのつながりを強く感じた買取りだったのでした。結局、本と+αのお礼をさせていただくことになりました。