我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2011年5月11日 (水)

オートテラ

P634 
「オートテラ(Auto Terra)」というカメラ、ハカリの製造で有名な寺岡精工(当時は寺岡精工所)が作成したカメラです。

ハカリで重要なスプリングの技術を活かして、カメラ製造をしたといわれています。

1955年に「オートテラ」でカメラ製造をはじめ、4年後に発売した「オートテラスーパー」を最後にカメラ製造から早々に撤退してしまいます。

短期間での撤退の理由は分かりませんが、その間に製造した5機種すべてが、スプリングモーターによる自動巻上げと、ボディ前面にあるシャッターボタンを取り入れていて、独自なカメラを造っていた事実が残っています。

画像にあるのは、その最終機「オートテラスーパー」です。基本、このカメラにはプロバー45mmF2.8というレンズが付いてるのですが、この個体には、ズノー45mmF1.8が付いています。

名玉を生み出しているあのズノーです。ズノー付がどれほど流通しているのか不明ですが、貴重であるのは間違いないかと。

また、当時の広告内のコピーには、このカメラの特徴を、「たとえ片手にタバコをはさんでいても、シャッターに軽くタッチして撮影、その指を離せば撮影済みのフィルムは自動的に巻取られ、同時に次のシャッターが完全にセットされます」なんて風に謳われていました。

デザイン自体はちょっと無骨なところがあって、ロシアカメラっぽい雰囲気も漂っています。でも、シャッターボタンを押すと瞬時にフィルムが巻き上げられ、シャッターがチャージされる感触は、なかなかシャキッとしていて心地良い感じでした。