我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2022年7月14日 (木)

フィルムが取り出せなかった無念

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まだ10歳代と思われる女子から相談を受けました。

「カメラが壊れてしまって、撮影途中のフィルムが取り出せなくて困っている」と。

写真屋さん(プリントショップ⁈)でカメラ屋さんに行けば何とかなるかも〜と言われたそうで、その写真屋さんでも何らかの手当てをされたのでしょう背蓋と電池蓋を跨いでパーマセルテープが貼られていました。

長年ジャンクを扱っているので、手動巻戻しが出来ないフルオートカメラがフィルム装填中の状態で壊れてしまっているパターンにも数多く遭遇してきました。

そんな時は荒療治(カメラを直す目的でもないし、撮影中のフィルムを救出する目的でもないから療治ではないか…)と言われるかもしれませんが、背蓋を開けてフィルムを引っ張れば(カメラによってはかなりの力を要する場合もあります)だいたいの場合、フィルムを巻上げ軸から引っ張り出せるのです。

なので、少しフィルムにキズが付いてしまったり切れてしまう可能性があることも了承してもらったうえで、多分フィルムを引き出せると思いますよ〜と言って、一旦カメラを預かりました。

ところが、暗箱の中で背蓋を開けてフィルムを引き出そうとしましたが、力任せに引っ張ってもダメ、軸に巻き付いたフィルムを少し弛ませるような方法を取りながら引いてもダメ。

ここで、私の持論「臆病は最大の危機管理」が頭をよぎったので無理をするのはやめました。お客さんには、多少のキズや切れ目を覚悟してもらってますが、フィルムを取り出せるであろうことを前提に話していたし。

それから、お客さんが未成年であることも無理をしなかった理由の一つ。万が一、フィルムがかなり悲惨な状況になってしまった場合に、ご両親が登場されたりするとそれまでのやり取りがうやむやになったりして話がややこしくなる危険性もあるなと思ってしまったのです。

約束の時間に再びご来店されたお客さんに事情を話しました。私も悔しいのだけどと。そして納得してもらいました。

また、カメラの破損覚悟で取り出す方法も考えましたが、それをしたところでフィルムを安全に取り出せる保証はないので、私が積極的にやりたくない旨も理解してもらえました。

それでも、翌日にお友達と遊びに行く用事がある〜とのことで、Nikonの全自動フィルムコンパクトカメラをお買上げくださったので、少し割引をさせていただきました。