昭和5年 ピコ単
買取りのアローカメラから我楽多屋へ回って来た品物を整理中。
このカメラがありました。ZEISS IKONのPiccolette。
そうとうに古いカメラではありますが、似たような時代のカメラもちょいちょいは出ては来ます。でも今回、古さを印象付けてくれたメモ書きが添えられていました。
「昭和5年頃 横浜にて母より買い与えられる 価20円(?) ツアイス製ピコレット 単玉」
ポストイットに書かれたメモなので、それ程に古いメモではありません。昔を思い出されて書かれたものなのでしょう。
しかし、昭和5年に母親からカメラを買い与えられるなんて!多分、ビックリするくらい恵まれた環境だと思います。
昭和5年の物価を調べてみました。豆腐1丁/5銭、すし(並)/25銭 大卒初任給/73円 日雇い労働者賃金/1円60銭(日)
ちなみに、メモ書きされたポストイットは薬品名がプリントされた薬品メーカーのノベルティと思われるので、メモを書いた主はお医者さんかもしれません。親の代からお医者さんだったとすると、幼き頃にカメラを買い与えられた~というのも納得できますねぇ。
ピコレットはツァイスイコンの母体の一つであるコンテッサ・ネッテル社がベストポケットコダックを模して作ったカメラと言われています。今回の個体のような単玉付きの他に、レンズ(テッサー他)とシャッター(コンパー他)の組み合わせなどでいくつかのバリエーションがあった模様。高いモデルは当時180円もしたそうです。
この単玉付きを「ベス単」を捩って「ピコ単」と呼んだそうです。まぁ、単玉付はバリエーションの中では安価だったので、子供に買い与えた~という事実がまたまた納得できますねぇ。
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