最後に別れを・・・
先日、キヤノンF-1ほかレンズを売りに来られたお客さんの話です。
すでに5年くらいは使わずに眠らせていた品物で、使わずに置いていても勿体ない・・・という気持ちでアローカメラの買取りをご利用いただいたそうです。
新品で購入されてから、ずっとご自身で使われていた、いわゆるワンオーナーもの。カメラやレンズの程度から推測するに、使い込まれた跡があるものの、大きなキズやアタリなどは無いので、大切にされながら活躍してきたのだろうな~という感じです。
買取りカードにお客さんのお名前等をご記入いただき、身分証明書の確認を終え、買取り代金の支払いが済んだ後、何となく、お客さんが愛機との別れを惜しんでいるような感じがしたので「このカメラの次の活躍の場への橋渡しをさせていただきます」と言うと、お客さんは「最後に一回シャッターを切っていいですか?」と言われました。「どうぞ」とお答えすると。
レンズ内部確認のために外していた、55ミリF1.2SSCをボディに取り付けて、ファインダーを覗きながら、かみ締めるように「カシャ!」と一回シャッターを切られました。そして、カウンターにカメラを置いたあとに、ペンタプリズム部分を軽くポンっと叩いて、「では、よろしくお願いします」と帰っていかれました。
このお客さんの愛機への愛情がヒシヒシと感じられたひとときでした。