我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2008年12月 2日 (火)

ゼンザブロニカD

20081202

この前の日曜日、このブログで何度か登場しているBさんが「今日はこれを見せびらかそうかと思って・・・」と、カメラバッグから取り出したのが「ゼンザブロニカD」でした。

私は「ハッと」しました。かなり珍しい部類に入るこのカメラを数日前に見たばかりだったから。それは、買取り依頼でうちの店にやって来た「ゼンザブロニカD」でした。他にニコンやコンタックスも一緒にあったのですが、持参されたお客さんが「何十年もしまい込んでいたので・・・」と言われるように、残念ながら、どのカメラも状態はかなりよろしくない傾向にありました。

その外観はグレーの皮張りが緑がかっていて、銀色の金属部分は黄金色っぽくなっていました。簡単に手入れをすると元の色に近づいてきましたが、手入れ半ばで、我楽多屋の常連さんの目にとまって、その人に買われて行ったのでした。

一方、Bさんが持参された「ゼンザブロニカD」(上の画像がそれ)はかなり良い状態のもの。聞けば、つい最近、某中古カメラ店で思わず買ってしまったとのこと。

中判カメラブーム真っ最中のBさんは、所有しているキエフ88(ハッセルブラッド1000Fのコピー機と言われている)に飽き足らず、ホンモノを探して中古カメラ店を徘徊していたとのこと。しかし、ハッセルブラッド1000Fは状態の良いものを見つけるとかなりなハイプライス!で手が出しにくい。。。そこへ、某中古カメラ店で「ゼンザブロニカD」と出会ってしまったらしいです。

さて、「ゼンザブロニカD」ですが、もともと、ガスライターなどの製造をしていた吉野善三郎氏が夢だったカメラ製作にとりかかり、5年以上の歳月を費やして昭和34年に完成させた第一号機。

当初は「ゼンザブロニカ」と呼ばれていたものの、後から出た機種(「S型」や「C型」)と区別をするために、後から「D型」と呼ばれるようになったらしい。Bさんの話によると、生産台数は2000台以下とも言われているそう。そりゃ、なかなかお目にかかれないわけです。

デザインがハッセルブラッド1000Fに似ていることで当時は問題にもなったようですが、中身はオリジナリティに溢れ、ハッセルブラッドを越えるべく設計されているとも言われています。

その名前の由来は、「善三郎・ブローニーフィルム・カメラ」を縮めて「ゼンザブロニカ」。