50-300mmの高倍率ズーム
今では18-300mmなんて高倍率なズームレンズが普通に売られていたりしますが、高倍率ズームの祖ともいえるようなレンズが「ZOOM-NIKKOR AUTO 50-300mm/F4.5」。このレンズ、1967年に発売されています。
ニッコールのズームレンズは、1959年にニコンFの発売から半年ほど遅れて「85-250mm/F4-4.5」が一本目として登場、1961年に二本目の「200-600mm/F9.5-10.5」、1963年に三本目の「43-86mm/F3.5」。そして、四本目がこの「50-300mm」で6倍ズーム。
レンズは13群20枚という構成で、重量はかなり重めの2.2kg程。ちなみに、現行品のAF-S DX NIKKOR 18-300mm/F3.5-6.3 ED VRが12群16枚で550g。
で、50-300mmの値段が当時120,000円!
Fのアイレベルファインダー付きがボディのみで44,200円(1967年)、50/2付きで58,700円(同左)ですからね。どんだけ高かったレンズなのか~。
さて、私の興味は当時、他のメーカーのズーム倍率はどうだったの?って点。ちょうど、1967年のカメラ綜合カタログがあったので、調べてみましたよ。
各社、ズーム倍率の一番大きいレンズを挙げてみます(1967年カメラ総合カタログに掲載無いものは除く)。
- ペンタックス:75-150mm/F4.5(*) 2倍
- キヤノン:85-300mm/F5 3.5倍
- タムロン:80-250mm/F3.8 3.1倍
- トプコン:ズームレンズ無し
- コニカ:58-400mm/F4(ただし価格表示無し) 6.9倍
- ペトリ:85-210mm/F4.8(*) 2.5倍
- ラッキートキナー:90-230mm/F4.5(*) 2.6倍
- コムラー:ズームレンズ無し
- ミノルタ:160-500mm/F3.5 3.1倍
- コミナー:ズームレンズ無し
- サンズーム:85-210mm/F4.5 2.5倍
- オリンパス(ハーフ判ペン用):100-200mm/F5 2倍
- ヤシカ:80-160mm/F4(*) 2倍
- ミランダ・ソリゴール:ズームレンズ無し
- (*)印はラインナップにズームレンズが1本しかないメーカー
ということで、コニカを除けば1967年時点でニッコール50-300mmの6倍が一番大きいズーム倍率であることが判明しました。コニカを除いた理由は1967年時点でまだ未発売(その後も受注生産!?)だった点と、そもそもこのレンズの目撃情報が極端に少ないのも謎レベル。
*画像の50-300mmは1967年発売当初の一番最初の仕様(前玉側の鏡胴がシルバー)ではなくて少し後の仕様です。
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