横向きファインダー
ライカの横向きファインダー「WINTU」。1933年頃のモノです。
「横向き」と聞いて思い出すのは、ずいぶん前に紹介した、レンズの前に付けて使うアダプター状のアクセサリー。
あれは、正面を撮っているようにみせて、実は左側(右や下も上も可)を撮っている~という仕掛けでした。どこかの用品メーカー製もありましたが、ペンタックスも純正で作っていました。
いつの時代も、こういうやましい盗み心…じゃなくて、スパイ的な隠密撮影の需要はあったのでしょう。で、遥か80年前に、こんな立派な横向きファインダーがライカにもあったのです。
これは前述のアダプターとはちょっと違う仕掛けです。カメラ自体は被写体に向いているんだけど、撮影者はカメラ側面に対峙して構えます。
質感的にも実に良く出来ているこの横向きファインダー。画像のように、3Cなどのバルナックライカのアクセサリーシューに装着します。
棒状の本体の側面を覗くとビューファインダーになっています。多分、50mm相当。本体から飛び出ている部分がカメラのレンジファインダーアイピースに当てがえるようになっているので、同じくカメラ側面に対峙する向きで、二重像を一致させてピント合わせが可能です。
また、その部分をクルっと跳ね上げることが出来るので、通常の構えでレンジファインダーアイピースを覗くことも可能です。
この完成度の高さは、横向き撮影の必要がなくても、ライカの上に装着して持ち歩きたくなるレベルかと思います。