我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2012年5月16日 (水)

ニコンS3、どっちがどっち?

N425
世の中「復刻」流行りの傾向がなくもない、、、

カメラでは、オリンパスが「ペン」や「OM」を出したり、クルマでは、トヨタが「86」というクルマを出したり。

まぁ、このどちらもが「コンセプトの復刻」的であって、単純に「復刻」と呼んでいいのか疑問でなくもない。

今から、12年前にニコンが、さらに42年前の銘機「S3」の復刻版を出しました。これは、見た目も中身も基本はうりふたつ。外装部品の小さな部分に差があったり、微妙に質感が違ったりはしますが、上の画像のような角度だと、どっちが復刻でオリジナルか分からないくらい。

念のため、左がオリジナルで、右が復刻版です。

この復刻版S3、申込み期間中の予約分はすべて造る~という手法を取ったことで、ニコンの予想をかなり超えた相当数の予約が入り、予定通りの出荷が出来ないため順次出荷していくことに。それが裏目に出たのか、キャンセルなどがかなり発生、在庫過多になってしまい、以降、中古相場は厳しいものになってしまいました。

その反省があったのか、5年後に復刻された「SP」の時は、最初から限定数販売でした。

私、このSP復刻の時のパンフレットに書かれたコピーが、今でも忘れられません。SPに搭載された精巧なユニバーサルファインダーについて、「現代の技術では再生産不可能とさえ言われた~」とあったのです。

結果としては、それを克服出来たから復刻販売したんでしょうけど、「え~、ニコンさん、技術力落ちちゃってたの?」「それを告白しちゃうんだ!?」と思ったモノでした。

今の時代、工業製品の多くは大量生産、薄利多売…が基本でしょうから、昔とはモノ造りの構造自体が根本的に違って来ているんでしょうし、造る側には造る側の事情もあるのでしょうが。。。

最後にもうひとつ思い出しました。クルマの話ですが、フランスのシトロエンは「DS3」というクルマのキャッチフレーズに「アンチ・レトロ」ってのを使ってます。これは、懐古主義的な「復刻」流行りの逆ってこと。どちらが良いのか?ということは抜きにして、こういうのをウリにしてくるクルマがあるのも興味深いですよね。