写真家 中藤毅彦さん
先週、予告した写真家中藤毅彦さんの写真展にお邪魔して少しお話を聞かせていただいたので、報告したいと思います。
中藤さんが運営するギャラリーニエプスは、うちの店から歩いて10分足らずのところにあります。オープンから5年経過したそうです。実は、中藤さんとの出会いはニエプスのオープン前の準備中にさかのぼります。と言っても、その時は失礼ながら中藤さんとは認識していませんでした。「近くにアトリエを作っているんですよ~」と言いながら、我楽多屋に何回か来店された気さくな方が中藤さんであったと知ったのはその1~2年後、カメラ雑誌に出ていた中藤さんのプロフィールと写真を見た時。
以後、何度か中藤さんの写真展を見に行きましたが、中藤さんの作品はいつも気さくで柔らかなイメージのご本人の印象とはかなり違う印象でした。コントラスト強めのモノクロプリントが印象深く、町や人々を独特に切り抜く感じの作品がとてもカッコよいのです。私の写真を見る目の乏しさから、適切な表現が出来ないのが申し訳ない限り…。
今回の取材も作品についてより、以下のような内容がメインになってしまいました。中藤さんの作品はギャラリーに足を運んで自らの目で確かめください。
中藤さんはアサヒカメラ9月号にも載っているように、コンタックスG2を愛用されています。仕事面では今のご時世どうしてもデジタルがメインになってしまうと言われていましたが、ご自身の作品はほとんどがフィルムにこだわっているとのこと。今回の写真展の作品も機材はG2。
モノクロにこだわっているから、余計にフィルムの良さが実感出来るとも言われていました。ツブツブ(粒々)感、ザラザラ感はフィルムと印画紙だからこそ表現出来ると。フィルムの良さを伝えるためには、我々プロの写真家がフィルムを使って表現することが大事!と強く言い切られていました。また、ぜひギャラリーに足を運んでプリントを見て欲しいとも。
ここ数年、新規オープンのギャラリーも加わって、四谷から西新宿にかけて数多くのギャラリーがベルト状に連なってきています。この界隈をふらふらと散策がてらギャラリー巡りをするには絶好なエリアになりつつあります。中藤さんは「メーカー系以外のギャラリーは逆に敷居が高く感じて入りずらい傾向があるみたいだけど、怖がらずに覗いて欲しい」と言われていました。
本日30日から開催の写真展の詳細は以下の通りです。今まで、東欧や南米などクセの強いところで撮ったものが多かった中藤さんが、今回は昨年、仕事で行ったカナダ・バンクーバーの街で撮ったもの。キレイな新しい印象のある西側の街を撮りながらも、その中には中藤さんらしい強いインパクトをもった作品がありました。
- 中藤毅彦写真展「ストリート・ランブラー|ヴァンクーヴァー」
- 2008年8月30日(日)~9月7日(日) 13:00~20:00
- Gallery Niepce ギャラリー・ニエプス
- 東京都新宿区四谷4-10 メイプル花上2F
- Tel/Fax 03-3356-8807
- www.niepce-tokyo.com
・中藤毅彦さんのプロフィールはこちらから。