ペンSの3.5と2.8
オリンパス ペンSにはレンズ違いの「ペンS 2.8」と「ペンS 3.5」があります。片方はわりと希少品です。
正直なところ、私はこの2機種の経緯についてあまり詳しくありませんでした。実際、出回っているのは希少品じゃない方がほとんどなので、差を意識せずに済んでいた…というのが事実です。
今回は2機種一緒に出て来たので、その経緯をハッキリさせておこうと思いました。
この件について当然のように知っている人には呆れてしまう話でしょうがご了承ください。
オリンパス ペンの初号機には、28mm/F3.5のズイコーレンズが付いて1959年に発売されます。ペンの開発者として有名な米谷氏は最新型のシャッターを搭載したかったそうですが、開発が間に合わず既存の2枚羽根式が採用されていました。
続いて、より明るいレンズが付いた機種を~ということで、30mm/F2.8のズイコーレンズが付いた「ペンS 2.8」が1960年に発売され、シャッターも初号機よりランクアップした米谷氏希望の最新型5枚羽根式を採用します。
じゃあ、「ペンS 3.5」は何ぞや?というと、5枚羽根シャッターを搭載したペンS 2.8に、初号機と同じ28mm/F3.5レンズを付けたモデルなのです。
ペンS 2.8が出てから、ペンS 3.5が出るまでの5年の間には、よりワイドなレンズが付いた「ペンW」や、より明るい大口径レンズや露出計を搭載した「ペンD」シリーズ、自動露出やピント合わせをパンフォーカスやゾーンフォーカスにして、撮影を簡単にした「ペンEE」シリーズが続々登場します。
そんな中で発売された、原点回帰的なモデルであったペンS 3.5は、それ程の需要もなかったのか!?あまり生産されなかったようなのです。
というわけで、ペンSは「3.5」の方が稀少モデルなのです。
ちなみに、オリンパスの公式サイト内にあるペンシリーズの紹介に「3.5」の方は出て来ません→https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/series/pen/
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