43-86勝負
新年最初のご来店いただいた常連Bさんが、きったねーニコンFを探しているお仲間Hさんと、ちょうど我楽多屋にあった2台のきったねーニコンFを比較中のこと。
「外観は汚いけど、フィルム室はこっちの方が勝ってる!」、「巻上げはこちらがスムーズで~」、「いやぁ、迷うな~」、「あっ、なんか失礼、売り物で勝負して…」などと、品定めに苦戦気味。
一段落ついた後、Bさんがご自身で持参された黒ニコンFを取り出されてからの会話はこんな感じ↓。
- Bさん 「今日、こちらに来る前に地元のカメラ屋で買った、ニッコール43-86です。年末、我楽多屋さんに43-86があったのを見ていたんですが、やはり無くなっちゃってますよね」
- 私 「いや~、前にあったのは無くなっちゃいましたが、今日、新たに入荷したのを並べましたよ・・・」と差し出すと。
- Bさん 「おぉ、負けた・・・。こちらの方が最初期型で、値段も安い。。。今日、私が買ったのは2番目のバージョンで。。。」
- 私 「やった!うちの品物が勝ち!?でも、買われた方が全然、モノがキレイじゃないですか」
- すると、他のお客さんが 「ダメだよ、四谷に先に来ないと」
- Bさん 「そうは言っても~地元のお付き合いもあるので・・・(笑)」
勝った負けた、地元のお付き合い、となんだか中古カメラ屋で交わされる会話としては、ちょっと不思議な感じが面白くて、最後には皆さんと笑ってしまいました。
Zoom-NIKKOR Auto 43-86mm F3.5:このレンズは1963年に発売された、国産初の標準ズームレンズなのです。「ヨンサンハチロク」とか「ヨンサンパーロク」とかの愛称で呼ばれることもあります。Bさんのおっしゃられる、最初期型などのバリエーションは、ネームの刻印や鏡胴の塗りの違いなどのこと。