我楽多屋で買った    モノ・マガジン

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2017年11月25日 (土)

Fotron

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少し前にFacebookページで「お客さんカメラ」として画像をアップしたこのカメラ。アメリカ製の「Fotron」と言います。

サイズの比較として一緒に並べた35ミリフィルムからも分かるように、かなり大きなカメラです。

「何でこんなにデカいの?」思われるでしょう。

でも、使用フィルムは828といって、フィルムの幅は35ミリ。パーフォレーションは無くて、裏紙付き。1935年にコダックが「バンタム」というカメラとともに発売した新規格フィルムで、この828フィルム使用のほとんどのカメラで画面サイズは28×40mm、8枚撮影が可能です。

裏紙付きとはいえフィルムが短いので、35ミリのパトローネよりも小さい巻きになります。なので、カメラ自体は普通小さくなるものなんです。

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先日、買取り依頼の品物の中にあった同じ828フィルムを使う「コダック・バンダムスペシャル」は、手のひらに乗るサイズでした。

ただし、このカメラの場合、元々はフィルムはあらかじめ専用カートリッジに収められた828フィルムを使い、現像のためにカートリッジごと業者に出さないといけないシステムだったとか…。これは、主にカメラ初心者や不慣れな女性向けに訪問販売による売り方だったゆえで、値段も詐欺まがいな高価だったとも言われています。

話は少し反れましたが、このFotronが大きい理由は~。実は世界初といわれる機能が内蔵されていたのです。

それは、ストロボ内蔵。一般的には1975年発売のコニカC35EFが最初と言われていますけど、このFotronで1960年早々に採用されていたのです。そのユニットと充電式バッテリーが巨大なスペースを要するために、この大きさになっているのです。

また、フィルム自動巻上げ機能も内蔵されていて、これについても1962年のヤシカセクエルが電気モーターでフィルムを巻き上げる機能を内蔵したのが最初と言われていますが、ほぼ同時期と思われるのです。

そして、持ち主のお客さんは今このカメラを使うために、改造して現在の電池を詰め、フィルムは…どうされているのか失念してしまいました…ブローニー切られているのだったかな…。

 

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